(読売)
現役幕内力士の逮捕という事態に、角界がまた揺れた。間垣部屋(東京都墨田区)のロシア人力士・若ノ鵬寿則(本名=ガグロエフ・ソスラン)容疑者(20)が18日、大麻取締法違反(所持)の疑いで警視庁に逮捕された。
日本相撲協会の北の湖理事長は同日夜、東京・両国国技館で緊急記者会見を開き、「一報を受けた時は信じられなくてびっくりした」と苦渋の表情で語った。
北の湖理事長は、約50人の報道陣を前に沈痛な表情で謝罪文を読み上げ、「若ノ鵬が逮捕されたことはあってはならないこと。申し訳ございませんでした」と深々と頭を下げた。
さらに、「今回は自分で駄目だとはっきり分かることなのに」と言って絶句。逮捕容疑の当時は19歳だったことについても「未成年であっても関取だ。重く受け止めないといけない」と述べた。
相次ぐ不祥事の責任について北の湖理事長は「二度と起こらなくするのが私の責任」と述べた。同協会は「十両以上の現役力士の逮捕は記録にない」としている。
大相撲では、時津風部屋の序ノ口力士(当時17歳)が昨年6月に急死した事件を巡り、元親方と兄弟子の計4人が今年2月、傷害致死罪で名古屋地裁に起訴され、陸奥(みちのく)部屋の十両力士も部屋の若手力士を負傷させたとして、6月に傷害容疑で書類送検されるなど、不祥事が相次いでいる。
ガグロエフ容疑者は、レスリングのロシアのジュニア選手権120キロ級王者で、2004年秋に来日。05年3月の春場所が初土俵で、身長1メートル95、体重162キロの恵まれた体を生かし、07年1月の初場所で18歳で十両昇進、同年11月の九州場所で新入幕を果たした。スピード出世の一方で、今年5月の夏場所で負けた後、腹いせに風呂場の木棚をひじで壊して協会から厳重注意の処分を受けるなどしていた。
元NHK大相撲放送アナウンサーの杉山邦博さんは「一連の不祥事の反省が力士一人ひとりに自覚されていなかったということが非常にショックだ。外国人力士を数多く受け入れている中で、指導者の目が行き届かなくなっていることも今回の事態につながったのではないか。再発防止のためにも、協会には厳しい処分を望みたい」と話した。
漫画家のやくみつるさんは「薬物汚染が相撲界にまで来てしまったのかという印象だ。部屋の監督責任が問われることになるだろう。力士は単なるアスリートではなく、尊敬されるべき存在だということを外国人力士に自覚させる方法を考えるべきだ」と語った。
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