(朝日)
小諸市の宗教法人「紀元会」で昨年9月、会員のすし店経営奥野元子さん(当時63)が集団暴行を受けて死亡した事件で、傷害致死や犯人隠避教唆などの罪に問われた、同会の創始者の娘、窪田康子被告(50)に対する初公判が26日、長野地裁(土屋靖之裁判長)であった。検察側は窪田被告が犯行を主導したと指摘したが、弁護側は「指示はない」と否定。犯人隠避教唆については無罪を主張した。証人尋問などの期日を経て、判決は10月28日に予定されている。
窪田被告は罪状認否で、傷害致死について「指示していない。死に至るほどの暴行は加えていない」と述べた。犯人隠避は「いたしておりません」と否認。暴行の指示の有無や程度について争うとした。
検察側は冒頭陳述で、同会創始者の男性が02年2月に死亡後、窪田被告は指導的な地位に就こうと考え、暴力を正当化して会員の引き締めを図ったと指摘。被告の下で教団のカルト化が進み、会員同士の集団リンチが行われるようになったとした。
事件当日は、奥野さんの次女(27)が数年前に窪田被告の長女にコンドームを渡したとして同被告が問題にし、奥野さんの次女に暴行を加えることを指示。その後、奥野さんを、家族に命じて呼び出し、暴行したとした。
弁護側は、窪田被告が紀元会の総代を補佐し、事実上大きな発言力、影響力を持っていたとした。そんな被告の長女(当時中学生)にコンドームを渡そうとした行為に会員が強く怒り、群集心理もあって暴行がエスカレートしたと主張。被告が同会で支配権を確立するために起こした暴力行為ではないと反論した。
起訴状によると、窪田被告は07年9月24日午後11時半から約1時間、同会の施設内で多数の会員と共謀し、奥野さんに暴行して外傷性ショックで死亡させたとされる。家族内の暴行で死亡したことにするよう奥野さんの家族に指示。奥野さんの次女にも暴行し、約3週間のけがを負わせたとされる。
一連の事件では会員34人が逮捕され、うち26人が傷害致死や犯人隠避などの罪で起訴された。他の会員の裁判では、窪田被告を事件の首謀者と認定する判決が続いている。
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